2014年9月23日火曜日

ジャック・ドゥミの世界☆


先日、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催されている
昨年、パリのシネマテーク・フランセーズで
開催された展覧会(“Le monde enchante de Jacques Demy”)の
初アジア巡回です☆
(フィルムセンターにて/撮影;aqui)

ジャック・ドゥミ(Jacques Demy 1931-1990)は、
フランスの各都市を映画の舞台にしてきたことから
「ヌーヴェルヴァーグの地方作家(注1)」と称された映画監督です。

ドゥミはドキュメンタリーの助監督を経て、
1961年に作曲家ミッシェル・ルグラン(Michel Legrand 1932~)
タッグを組んだ『ローラ』で長編映画監督デビューを飾りました。
以後、ルグランと共に多くの名作を世に送り出しています。

1964年に発表したミュージカル映画『シェルブールの雨傘』は
カンヌ国際映画祭においてグランプリを受賞、
ドゥミの名を一躍世界に轟かせました。


ドゥミとルグランのコラボレーション作品
『シェルブールの雨傘』(1964年)と『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)の映像
(2009年に日本で公開されたデジタルマスター版の映画予告編より)


今回の展覧会はドゥミ作品を年代順に追ったものとなっています。
パネル解説や動画をはじめ、デザイン画や脚本、プレスシートなどの
稀少な品々も展示されています。

 日本でも人気の高いドゥミのカラー映画作品である
『シェルブールの雨傘』(1964年)、『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)、
そして『ロバと王女』(1970年)などの展示を前にして、
ドゥミ作品特有の美しい色遣い、幻想的な雰囲気に酔いしれてしまいました。

その一方で、『ローラ』(1961年)や『天使の入り江』(1963年)といった
初期のモノクロ映画にまつわる展示品からは匂い立つような神秘的な美しさが
感じられました。


奥が『シェルブールの雨傘』、手前が『ロバと王女』のポスター
(フィルムセンターにて/撮影;aqui)

アヌーク・エメ主演の『ローラ』のポスター
その眼差しから神秘的な美しさと強さを感じる。

(フィルムセンターにて/撮影;aqui)

ですが、今回の展覧会の面白さは
こうしたビジュアル的な美しさを堪能できるだけでなく、
展示構成および解説が充実していることもあり、
ドゥミが夢のように美しい映像の中に描いた現実的な問題、
人間の持つ脆さと強さといった作品の核心に触れられる点にあると思います。
観覧していると、ドゥミの脳内を覗いている感覚にもなってくるのです。

ドゥミ作品が好きな方には勿論ですが、
まだドゥミの作品を御覧になられた事がない方も
楽しむことのできる展覧会だと思います。
会期は12月14日までとなっています☆
(詳しくはコチラ)

また、10月には『シェルブールの雨傘』が
飯田橋のギンレイホールにて特別上映されます!
併せておススメさせて頂きますね☆☆
(詳しくはコチラ)

後日、当ブログにてドゥミ作品にまつわるコラムを書く予定です。
ご興味のある方は、ぜひAqui Art Collageにお立寄り下さい。
お待ちしております。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
感謝をこめて♡

                               Aki Ishizaka




(注1: 簡単な語彙解説)
ヌーヴェルヴァーグ(nouvelle vague=訳:「新しい波」)とは、
1950年代末頃からフランス映画界に現れた一群の若い映画監督及び、その作品傾向を指す。
作品の演出手法として、ロケ撮影中心、同時録音、即興演出などが挙げられる。
代表的な映画監督にジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーがいる。

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