2014年9月28日日曜日

村岡花子と『赤毛のアン』の世界展

皆様、ごきげんよう。
いかがお過ごしですか?

私は夢中になって見ていたNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』が
昨日(9月27日)をもって最終回を迎えてしまい、その感傷に浸っております。
本当に、本当に素敵なドラマでした。
充実した半年間をありがとうございました!と叫びたい気持ちです!!

「花子とアン メモリアルブック」
(撮影:aqui)

毎回ワクワクし、感動し、涙しと、感情フル活動で鑑賞していました。
明日には美輪さんの「ごきげんよう、さようなら」で締めくくられる、
あの15分間の世界を堪能できないと思うと淋しいばかり....。
(でも、『マッサン』も面白そうですね!)
後日、改めて『花子とアン』についての感想などをしたためたいと思います。

弥生美術館・竹久夢二美術館の渡り廊下にて
(撮影:aqui)

こうして『花子とアン』に想いを馳せ、
本日まで弥生美術館・竹久夢二美術館にて開催されていた
「村岡花子『赤毛のアン』の世界展 〜本を道しるべに、少女たちのために〜」を
観覧してきました。


美術館のエントランス
(撮影(2枚):aqui)

やはり、花アン効果は半端ではありません!
昨日がドラマの最終回で、本日が展覧会の最終日ということもあり、
沢山の方がいらしていました。凄い観覧者数です。
これぞ国民的ドラマ!!!
(余談ですが、入場券を求め、緑の茂る美術館の外で並んでいましたら、
学芸員の方に「良かったらどうぞ」と虫除けスプレーを勧めて頂きました!!
途中から蚊取り線香も登場☆学芸員の方のお気遣いは素晴らし過ぎます!!)


美術館の渡り廊下の窓から。
風情があり、そして癒されます。
(撮影:aqui)

展覧会ですが、村岡花子さんの品々をはじめ、
村岡さんの腹心の友であり、「大正三美人」の一人として謳われた歌人、
柳原白蓮さんの展示もあり、見応え十分でした!!

お二人が本格的に執筆活動を開始されたのが大正時代ということもあり、
その展示を大正ロマンをテーマとする美術館でなされたことに歴史的意義、
言ってしまえば歴史的ロマン(!?)を感じずにはいられませんでした。

ドラマのオープニングにも流れる
アンゆかりの地、グリーンゲイブルズのパネル☆☆
(撮影:aqui/※このパネル以外の展示は撮影不可)

そして、村岡さんが戦時中に命がけで訳された
『赤毛のアン』の原書(L.M.モンゴメリ著/“Anne of Green Gables”)、および
その翻訳原稿を拝見した瞬間、思わず涙がどっと溢れてしまいました。
文化が破壊され、明日はどうなるか分からない戦時下で、
一筋の希望を胸に村岡さんは翻訳されていらしたんだろうなと、
展示品を通して感じられ、思わず胸が熱くなってしまったのです。

こうした先人の方々が苦労して残して下さったものを
私たちが今、拝見できるのは本当に幸せな事だなとしみじみ思いました。
同時に、この感覚は決して忘れてはいけないと強く思った瞬間でもありました。

見えづらいと思いますが、ポスター下の一番左側が
『赤毛のアン』の原書
“Anne of Green Gables”と村岡花子さんが訳された原稿の写真です。
(ポスタースキャン:aqui)

それにしても、大正ロマンのかほり漂う美しい館内での観覧はテンションが
上がります!竹久夢二美術館の展示会も素敵です!!
創設者、学芸員の方々のこだわりが感じられるオススメの美術館です♡
(詳しくはコチラ)





最後までお読み頂き、ありがとうございました。
では、ここは『花子とアン』に倣い.....

ごきげんよう、さようなら。

                               Aki Ishizaka




2014年9月23日火曜日

ジャック・ドゥミの世界☆


先日、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催されている
昨年、パリのシネマテーク・フランセーズで
開催された展覧会(“Le monde enchante de Jacques Demy”)の
初アジア巡回です☆
(フィルムセンターにて/撮影;aqui)

ジャック・ドゥミ(Jacques Demy 1931-1990)は、
フランスの各都市を映画の舞台にしてきたことから
「ヌーヴェルヴァーグの地方作家(注1)」と称された映画監督です。

ドゥミはドキュメンタリーの助監督を経て、
1961年に作曲家ミッシェル・ルグラン(Michel Legrand 1932~)
タッグを組んだ『ローラ』で長編映画監督デビューを飾りました。
以後、ルグランと共に多くの名作を世に送り出しています。

1964年に発表したミュージカル映画『シェルブールの雨傘』は
カンヌ国際映画祭においてグランプリを受賞、
ドゥミの名を一躍世界に轟かせました。


ドゥミとルグランのコラボレーション作品
『シェルブールの雨傘』(1964年)と『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)の映像
(2009年に日本で公開されたデジタルマスター版の映画予告編より)


今回の展覧会はドゥミ作品を年代順に追ったものとなっています。
パネル解説や動画をはじめ、デザイン画や脚本、プレスシートなどの
稀少な品々も展示されています。

 日本でも人気の高いドゥミのカラー映画作品である
『シェルブールの雨傘』(1964年)、『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)、
そして『ロバと王女』(1970年)などの展示を前にして、
ドゥミ作品特有の美しい色遣い、幻想的な雰囲気に酔いしれてしまいました。

その一方で、『ローラ』(1961年)や『天使の入り江』(1963年)といった
初期のモノクロ映画にまつわる展示品からは匂い立つような神秘的な美しさが
感じられました。


奥が『シェルブールの雨傘』、手前が『ロバと王女』のポスター
(フィルムセンターにて/撮影;aqui)

アヌーク・エメ主演の『ローラ』のポスター
その眼差しから神秘的な美しさと強さを感じる。

(フィルムセンターにて/撮影;aqui)

ですが、今回の展覧会の面白さは
こうしたビジュアル的な美しさを堪能できるだけでなく、
展示構成および解説が充実していることもあり、
ドゥミが夢のように美しい映像の中に描いた現実的な問題、
人間の持つ脆さと強さといった作品の核心に触れられる点にあると思います。
観覧していると、ドゥミの脳内を覗いている感覚にもなってくるのです。

ドゥミ作品が好きな方には勿論ですが、
まだドゥミの作品を御覧になられた事がない方も
楽しむことのできる展覧会だと思います。
会期は12月14日までとなっています☆
(詳しくはコチラ)

また、10月には『シェルブールの雨傘』が
飯田橋のギンレイホールにて特別上映されます!
併せておススメさせて頂きますね☆☆
(詳しくはコチラ)

後日、当ブログにてドゥミ作品にまつわるコラムを書く予定です。
ご興味のある方は、ぜひAqui Art Collageにお立寄り下さい。
お待ちしております。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
感謝をこめて♡

                               Aki Ishizaka




(注1: 簡単な語彙解説)
ヌーヴェルヴァーグ(nouvelle vague=訳:「新しい波」)とは、
1950年代末頃からフランス映画界に現れた一群の若い映画監督及び、その作品傾向を指す。
作品の演出手法として、ロケ撮影中心、同時録音、即興演出などが挙げられる。
代表的な映画監督にジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーがいる。

2014年9月22日月曜日

ご挨拶

はじめまして☆
Aki ishizaka(イシザカ アキ)と申します。

琴線に触れた文化を何かの形で留め、伝えたいという願望から
文化コラムのブログを始めます。
個人的な思い入れや見解を綴る場所ではありますが、
ご覧になった方が少しでもワクワクして頂けるものとなっていれば幸いです。

宜しくお願い致します。
感謝をこめて♡

Aki Ishizaka